#SORACOM #Discovery2017 パネルディスカッション「製造業が挑む 製品のIoTソリューション化」聴講レポート
ども、大瀧です。
2017/7/5(水)に開催されたSORACOM Conference 2017 Discoveryのパネルディスカッション「製造業が挑む 製品のIoTソリューション化」を聴講したレポートです。
登壇者
- ゲストスピーカー
- 株式会社 小森コーポレーション 情報システム本部 ICT推進部 事業推進課 CS係 係長 飯田 秀俊氏
- 日置電機株式会社 技術2部 技術9課長 降旗 佳範氏
- モデレータ
- 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 今井 雄太氏
セッション概要
製造業でも、SORACOMの通信を用いたIoTソリューション提供が始まっています。本セッションでは、IoTを活用したサービスを提供する、ハードウェアメーカーからゲストをお迎えし、その背景や技術、サービス化の道程をご紹介いただきます。(公式サイトより引用)
セッションレポート
両社のIoTへの取り組み紹介
- 小森コーポレーション 飯田氏(以下敬称略)
- 日本の紙幣は全て小森の印刷機で印刷
- 印刷機の製造
- 海外比率6割、世界で20,000台稼働中
- 印刷機械は24時間のうち33%しか生産していない
- 6割強が準備や停止時間
- 現場の情報を収集・分析することで見える化、共有化
- 高効率・高品質の製造プロセスを実現
- 人材確保も課題
- KP-Connect
- 機器のデータを見える化
- iOSやPCのアプリケーションで表示、稼働状況レポートや品質管理画面
- 印刷工場のネットワーク・セキュリティ環境の問題
- インターネット未接続、セキュリティ面の懸念 Air/Canalで解決!
- 既存の顧客環境に影響を与えない SORACOMとクラスメソッドの協力でクリアした!
- 構成図
- 今後の期待
- 海外展開エリアの充実 米国・中国・アジア
- CDNの活用、モバイル網以外の活用 SORACOM Junction&トレンドマイクロ VNFの活用
- 日置電機 降旗氏(以下敬称略)
- 電気計測器の開発、生産、販売
- 長野県上田市
- 電気計測器とは
- 目に見えない電気を見えるように!
- 配電盤にアナライザを設置
- 発電所、変電所 電力の品質、停電、トランジェント
- 現場が遠いので異常発見が遅くなる
- 太陽光発電だと発電量は減ってクリティカル
- 必要なものをパッケージ化 GENNECT Remote
- クラウド(Webアプリ、データストア) 、回線、ゲートウェイ、センサー
- なぜSORACOM?
- SIMの納品がスピーディー
- APIで自動化可能
- セキュリティ(SORACOM BeamでMQTT->MQTTS)
- 苦労したのは技術的課題と思いきや...本当に大変だったのは、製造業における業務フロー
- クラウド、SORACOMの利用料は製造時の原価ではなく、製造後の原価発生
- 関係者/社が多い
- お客様の事情
- 利用例
- 工場の工程監視
- 自社製品のIoT化
- 三英社製作所様 防災ガレージのIoT化
Q&A 製造業が"サービス"に取り組むにあたって
- そのきっかけ
- 飯田 機器の稼働状況レポートをIoT化したかった。トップダウン。実現は各部門によるボトムアップ。
- 今井 部署ごとの割合は?
- 飯田 柔軟にやった。ICT推進部が矢面に立って関係部門と折衝。
- 今井 課題が明確だったのがポイントだったのでは。
- 降旗 こちらもトップダウンのあとボトムアップ。最初は"ソフトウェア化"というふわっとしたオーダーだった。
- 降旗 サービス開発としては計測機器にとらわれず、ハードウェアの制約を超えてお客様にどんなコミットができるか?を追求。
- 売り切りからサービスへの転換時のポイント
- 今井 サービス利用料金をライセンスカードという売り切りに見せるのは面白いと思った。
- 飯田 KP-Connectはサブスクリプション。社内各部門との調整が大変だった。
- 飯田 オペレータ目線では、見える化は監視されるとも受け取られがち。しっかりメリットを伝えて説得。
- サービス化は必須だったのか?別のやり方もあったのでは?
- 飯田 小森としては追加開発への投資が出来るようになった。お客様にとっては初期投資が抑えられるので導入のハードルが低い。導入が早く進んだ。
- 降旗 リリースしてからまだ時間が経っていないのでサービス化が必要だったかはまだ判断できていない。サービスのオン/オフが切り替えられるのは良いと思っている。
- 今井 サービスの継続的開発、サイクルが回せるのは共感する。
- ソラコムへの今後の期待
- 降旗 SORACOM Inventory。下りのデバイス制御機能を追加したい。製造業にオススメ。あと、グローバル対応。高いのと電波認証が課題。
- 飯田 SORACOMの営業さんが来てからわくわく感を持って話が進められた。これからもお願いしたい。
感想、まとめ
ゲストスピーカーのお二人とも、自社製品のIoT化、サービス化を実際に進めてこられた経験やポイントを存分に披露いただきました。製造業に限らず同じようにIoTやサービス開発に取り組んでいる担当者の方に響く、共感できる良いパネルディスカッションだったと思います。